犬の急性肝炎 | 命に関わる理解しておきたい疾患

犬の急性肝炎は慢性肝炎と比較するとはるかに発症することは珍しいですが、予後は非常に悪くなります。治療は補助的な治療と肝臓の再生を促すことですが、手遅れになってしまうこともあります。肝臓は、再生能力こそは高い臓器ですが、「沈黙の臓器」と呼ばれるように重度に悪化しないと症状が出ないこともしばしばあります。

犬の急性肝炎についての理解

犬の急性肝炎の原因

犬の急性肝炎の多くは感染性(ウイルス、細菌、寄生虫など)もしくは薬物性(化学物質、中毒毒物、重金属など)に大別されます。

感染性

ウイルスや細菌によるものです。犬アデノウイルス1型、若齢犬のヘルペスウイルス、レプトスピラ症、エンドトキシン血症が考えられます。

薬物性

夜間動物病院.comでも取り上げたものもありますね。アセトアミノフェン、カルプロフェン(ラブラドール・レトリバー)、フェノバルビタール、水銀、キシリトール、アフラトキシン、強化スルホンアミドなどです。キシリトールは人工の甘味料ですが、これは高い死亡率を示すので注意が必要です。アフラトキシンに汚染された食材は亜急性肝炎の原因になることも研究されています。

代謝性

特定の犬種(ダルメシアン、ドーベルマン、ラブラドールの種)では銅蓄積症によって急性の壊死が生じたと言う報告もあります。

急性肝炎の症状

犬の急性肝炎の症状は様々です。広い範囲での細胞の壊死や肝機能が急速に低下することが主な要因となり、食欲の低下、嘔吐や下痢、脱水、黄疸、発熱、点状出血、昏睡状態が見られる場合があります。

犬の急性肝炎の治療

まずは原因となっているものを特定します。薬物や中毒が原因だった場合は除去を図ります。薬物性の場合は、拮抗薬やキレート剤(有害物質を無毒化する薬)の投与、感染性の場合は、全身的な抗生剤の投与により回復を図ります。また、対症療法として、輸液、凝固不全の治療、消化管潰瘍に対しての治療などを行います。いずれにせよ、急性肝炎は早期で動物病院で集中的な治療を行う必要がありますので、一刻も早く獣医師に相談してください。

急性肝炎の食事療法

飼い主さんができることには食事療法があります。症状が見られて2~3日は嘔吐により、食べることができない状態がほとんどですが、回復期には口から栄養を摂取することが重要です。基本的には、肝臓に負担をかけない食事(高炭水化物、低タンパク質(良質なタンパク)、低脂肪食)が推奨されています。

 

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