獣医師が解説!犬と猫のALPが上昇する要因とその解釈

ワンちゃんネコちゃんの調子が悪い時に、身体検査の次に行われるスクリーニング検査として、”血液検査”が挙げられます。血液にはたくさんの有益な情報が含まれているので、調子が悪い原因を絞り込む検査として有用です。
今回は、測定される項目の中で有名な肝臓酵素の”ALP”について解説します。

ALPとは?

”ALPが基準値を超えています”と言われてもどのように解釈すれば良いのでしょうか?
ALPの正体はアルカリフォスファターゼという酵素です。
正常状態では、胆管上皮細胞に関連しており、何らかの刺激によって産生が増加する誘導酵素として知られています。

ALPが分布している組織は?

そしてALPには身体の中でも、特にたくさん分布している組織があります。
それが肝臓や胆嚢、骨、腸管です。
つまり、ALPが高い時にはこれらの組織でなんらかの変化が見られた可能性を考える根拠となります。

ALPが高い時に考えること

このようにALPは多くの組織に分布しているので、解釈には注意が必要です。
例えば1歳前後の幼い動物ではALPが高い子がたくさんいます。これは身体大きくなる過程で、骨が壊されては作られて成長していることが原因です。
そして、壮年期を超え、高齢になるに従ってALPが上昇してくる子が増えてきます。
この時に一番多いのが、胆泥症や慢性肝炎、胆管肝炎などの肝臓や胆嚢の疾患です。
他にもクッシングと呼ばれるホルモン病、ステロイドなどの内服薬の長期投与による副作用、骨腫瘍に代表される腫瘍による組織破壊などが考えられます。

追加検査が必要なの?

ALPが高いから即入院や追加検査が必要か?というとそういう訳ではありません。
それぞれに年齢や健康状態は異なるので、症状やALP以外の血液検査の値を総合的に解釈して、今後の展開を獣医師と相談します。

超音波検査に進む場合

例えば、食欲がない、吐く、下痢が続くなどの症状があるのであれば肝臓や胆嚢、腸管の炎症や腫瘍の可能性を考えて超音波検査に進むことが推奨されます。

血液検査による再検査

逆にまだまだ若々しく、症状を全く示していないのであれば数ヶ月後の血液検査による再検査となることもあるでしょう。
他にも飲水量が増える、体重が減る、内服薬を長期服用しているなどALPに関連した重要な稟告があれば検査を検討することもあります。

ALPの解釈について

このようにALPは疾患を疑う上で非常に有用な値ではありますが、その解釈には注意が必要です。
お家の子が高い場合は何が原因の可能性が高いのか?追加検査は必要なのか?かかりつけの獣医師とよくよく相談してください。

猫のALPの解釈は?

猫では、犬と異なりグルココルチコイドや薬剤によるALPの上昇は認められません。
また、猫ちゃんの肝臓のALPは含有量が少なく、半減期が6時間と短いため、軽度の上昇でも重要な指標となります。
そのため、猫ちゃんでALPの上昇があると、原因を追究するために追加の検査を行う必要があることを覚えておいてくださいね!

〜まとめ〜

▷ALPは肝臓疾患以外にも腫瘍、ステロイドの使用などで上昇する

▷猫のALP上昇は臨床的意義が高い

▷ALPが高い原因の精査が必要な場合は、超音波検査やレントゲン検査を行う必要がある

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