犬の寄生虫|バベシア症をあなたは知ってる?

近年は衛生対策もされ、かなり少なくなりつつある寄生虫疾患ですが、まだまだ多くの寄生虫疾患が日本にも残っています。西日本の方も東日本の方も、ノミ・ダニの予防を通年でされている方が増えているようにも感じます。そこで、今回は犬のバベシア症について紹介して行きます。

分布

日本国内のバベシア症はBabesia gibsoniBabesia canisによるものが多いです。前者は西日本から関東を中心に本州の南に広く分布し、後者は沖縄に分布している寄生虫です。

感染経路

B.gibsoniはフタトゲチマダニに、B.canisはクリイロコイタマダニやヤマトマダニによる吸血によって媒介されます。これらのマダニは、シカやイノシシ、野ウサギなどの野生動物が出没する場所から民家の屋根裏や裏庭、畑、あぜ道などにも生息しているので、ご注意してください。マダニには、幼・若・成ダニで同一の宿主をとる1宿主性のマダニと幼・若・成ダニで別々に宿主をとる3宿主性のマダニがいて、種によって必要とする宿主の数が決まっています。バベシア症を発症するマダニは1宿主性であるため、犬1匹に寄生するだけで生活環が回ります。

生活環

マダニが犬を吸血する際、唾液腺に集まっていたバベシアのスポロゾイトという形態の寄生虫が犬の体内に入ります。犬の体内に入ると、赤血球内でのみピロプラズム(赤血球内での虫体)が二分裂し無性生殖を起こし、どんどん増殖していきます。再びマダニに吸血されることでマダニの中腸に寄生します。マダニの中腸では有性生殖を行い、キネートを排出し虫卵を介して幼ダニに伝播します。(経卵伝播)次のマダニの体内でキネートはたくさんのスポロゾイトを含むスポロブラストとなり、唾液腺へ移行します。そして、また吸血によって犬に寄生するといつ生活環をとります。

症状

<急性期>

3~10日後に感染した赤血球が出現し、溶血性貧血が徐々に進行します。(赤血球内でシゾゴニーという分裂を起こし、増殖します。)
・脾腫、肝腫、黄疸がみられます。
・時には熱が40~41 ℃まで上昇することもあります。

貧血が進むと、可視粘膜(口唇の裏など)の色が薄くなります。血色素尿症や腎障害を発症することもあります。幼犬および老犬では甚急性に発症し、食欲不振、低体温、ショックおよび昏睡を起こし、死に至ることがあります。

<慢性期>

・軽度の再生性貧血と血小板減少が持続してみられ、体重減少や食欲不振を示します。
・慢性感染犬に脾臓の摘出手術を行うと重篤な再発を起こします。

対策・治療

治療薬はありますが、薬による化学療法での完全な駆虫は難しく、再発する可能性があります。そのため、バベシア症の汚染地域の山や草むらで遊ぶ時にはマダニ対策をしっかりすることが重要です。基本的には、バベシア症を媒介するマダニの寄生予防が重要になってきます。

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