猫の三種混合ワクチンで予防できる病気について

突然ですが、猫を飼っているみなさんは「三種混合ワクチン」を接種していますか?接種している方でも「接種をする意味」について理解している方は多くないと思います。そこで今回は「猫三種混合ワクチン」の大事さと予防できる感染症について紹介します。

猫感染症に感染するリスク

実際に猫の感染症に感染した猫はどれくらいいるのでしょうか。以下のデータをご覧下さい。

「猫ウイルス性鼻気管炎」においては95%以上の動物病院が実際に確認しているほど猫の感染症は身近な病気なのです。

三種混合ワクチンで予防できる感染症とは?

猫ウイルス性鼻気管炎

猫ヘルペスウイルスⅠ型の上部気道感染症で猫カリシウイルス感染症と共に猫の呼吸器病の大部分を占めています。
感染源は発症した猫や回復後にキャリアーとなった猫の鼻や眼からの分泌物や唾液に直接接触することでの経鼻感染がメインになります。
主徴は鼻気管炎や結膜炎であり、数日の潜伏期間の後に元気消失・食欲低下・発熱・くしゃみなどの初期症状が見られ、その後炎症や分泌物などにより鼻道が閉塞されると呼吸困難・結膜浮腫・角膜炎・角膜潰瘍などの眼部症状が顕著に見られるようになります。(眼が腫れぼったく、充血します。)
猫ヘルペスは、一度感染すると死ぬまで、体外に排出されることはありません。
そのため、ストレスがかかったりすると、ワクチンを接種していても結膜炎などの症状が出ることがあります。

猫カリシウイルス感染症

猫カリシウイルスは猫およびネコ科の動物の呼吸器に感染し、発熱・鼻漏・くしゃみなどいわゆる「風邪症状」を引き起こし、肺炎を起こす場合もあります。
このウイルスは伝染性が強く、感染源は発症している猫および無症状感染または回復後にキャリアーとなった猫であり、キャリアー状態は数週間から1年以上続く場合もあります。
経鼻または経口から侵入したウイルスは気道粘膜上皮に感染し、増殖する。1〜3日の短い潜伏期の後に発熱・食欲低下・くしゃみ・流涙・鼻漏が見られ、重症の場合は肺炎になります。また、舌や硬口蓋に潰瘍が見られることが多いです。

猫汎白血球減少症

パルボウイルスによる猫汎白血球減少症ウイルス(FPLV)の感染症であり、特に子猫での急性致死性ウイルス病が危険です。
主な感染源は急性発症猫の糞便中に多量に排泄されるウイルスで経口感染します。感染力の強さは「感染極期の糞便一握りに含まれるウイルス量で世界中の猫を感染させることができる」と言われている程です。
FPLVが妊娠初期胎児に感染すると全身が標的になり死・流産を、妊娠後期から出生後2週間くらいの間に感染すると中枢神経系が標的になり、小脳形成不全による運動失調症に、さらに加齢している場合は骨髄やリンパ組織・空回腸粘膜が標的となり白血球減少や下痢症を引き起こし、深く激しい血便を伴います。

猫のパルボウイルスに関する記事はこちら

立川の猫カフェで話題のパルボウイルスとは?

2018年8月3日

猫の三種混合ワクチンの重要さ

猫三種混合ワクチンは猫の感染症予防ワクチンの中でもっとも一般的で金額は3000〜7000円程度と様々です。
生後6~8週齢で初回、その後10~12週齢に2回目、16週齢で幼少期最後のワクチンを接種する必要があります。
その後は、最後の接種から1年以内にワクチンを接種することで、しっかりとした免疫がつくと報告されています。
そのため、飼育環境によっては、1歳の接種後は3年に1回くらいの頻度でも大丈夫なケースもあります。

ワクチン接種は、発症を完全に予防できるものではありませんが、その症状を軽減したり、同居猫への感染を予防できたりします。特に、パルボウイルスは、若齢で発症すると致死的な感染症のため、確実に3種混合ワクチン(コアワクチン)は接種するようにしましょう。

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「ペットの救急医療を可視化する」をミッションに掲げるANICALの獣医師が執筆。ペット2.0を意識した世界観で問題の本質を問うような記事の作成を心掛けています。