SHARPのCOCOROPETはネコ医療向上に貢献するのか。

2019年。ヘルスケア関連スタートアップに対する投資、研究開発は益々ヒートアップしています。ひとえにヘルスケアといっても、予防から、診断、治療に至るまで様々な観点から病気を捉えて、各々ターゲッティングを行い最新サービス、コンテンツ、ソリューションを提供しています。
ペットの医療でも各大学、研究機関が競い合って病気の解明・診断に注力しています。そんな中、「Be Original」を掲げるSHARP社から、ペットヘルスケア業界に息を吹き込むようなIoTシステムトイレが発売されました。
そこで、今回はこのIoTシステムトイレについて解説していきたいと思います。

ペットケアモニターとは?

ペットケアモニターは、システムトイレとCOCOROPETというサービスの2つで構成されています。
簡単に説明すると、猫のトイレの客観的データが手持ちのスマートフォンでチェックできるのです。
これまでは、猫のトイレの情報は主観的なものでした。例えば、今日はおしっこが多いかも。最近、おしっこの量が多い気がするなどです。そのため、違和感があっても、動物病院に連れていくか迷いが生じる可能性がありました。
しかし、ペットケアモニターを使用すれば、そのような主観的な情報が客観的な情報として、手に入るようになります。

ペットケアモニターで何がわかる?

公式ホームページによると、ペットケアモニターで測定できるのは、5項目あります。

・体重
・尿の回数
・尿の量
・トイレの滞在時間
・トイレの温度

これらの項目が、手持ちのスマートフォンで経時的に(日・週・月単位)知ることができるのです。

猫の泌尿器疾患とは?

猫ちゃんは、その生物的特徴として、その他の動物種よりも腎臓の機能単位であるネフロンが少ないことが知られており、泌尿器疾患が多いと言われています。
「アニコム白書」の疾患統計からもわかるように、猫の全疾患における泌尿器疾患の割合はトップです。特に臨床的によく遭遇する膀胱炎や、急性腎不全慢性腎不全については猫ちゃんを飼っている飼い主なら一度は聞いたことがあるでしょう。

膀胱炎と”ペットケアモニター”

細菌感染などにより膀胱炎を患うと、膀胱粘膜が過剰に刺激される状態が作られるため、おしっこの回数が増加し、一回の排尿量が減少します。
”ペットケアモニター”は、猫ちゃんの尿の「回数」や「量」を測定することができるため、膀胱炎を疑う症状に気づくことができるかもしれません。

急性腎不全と”ペットケアモニター”

脱水・出血(腎前性腎不全)、中毒物質の摂取(腎性腎不全)や、尿管結石や尿道結石(腎後性腎不全)により、腎機能が急激に低下すると尿が作られなくなります。
”toletta”は、猫ちゃんのおしっこの「回数」や「滞在時間」を測定することができるため、例えば、尿道閉塞などでおしっこを出したいのに出せない場合では、「滞在時間」は増加するのに、「量」がカウントされない状況を発見することができるかもしれません。

慢性腎不全と”ペットケアモニター”

高齢の猫ちゃんで多い慢性腎不全は、徐々に腎臓の機能が低下していく疾患です。腎臓の機能が低下してくると、尿を濃縮する機能と老廃物をろ過する機能が損なわれていきます。
尿を濃縮する機能が低下すると薄いおしっこがたくさんつくられるため、正常よりも尿の「量」が多くなります。また、老廃物を体外に捨てられない状況が続くと、気持ち悪さから食欲が低下し、「体重」が徐々に減少していきます。
”ペットケアモニター”は、おしっこの「量」や「体重」変動を客観的にグラフとして見れるため、異常に早く気付ける可能性があります。

”ペットケアモニター”にANICALが期待すること

猫ちゃんは、我々人と違い、自覚症状を声や文字に変換して第三者に伝えるツールがありません。そのため、何よりも飼い主様が猫ちゃんの状況を代弁することが動物病院での診察に重要になってきます。
しかし、仕事や遊びで自宅にいない場合など、必ずしも症状を見ているとは限りません。そんな時に、愛猫ちゃんのトイレ事情を客観的に、しかも遠隔で知ることができれば、安心感が生まれるのは事実であるでしょう。
診断精度の向上に大きく貢献することが期待される「ペットケアモニター」。まさしく、「Be Original」を掲げるSHARP社の猫本来の性質(起源)を考えた代物であることに間違いはないでしょう。

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獣医師が獣医療について飼い主さんに情報発信する場所を作りたい。「生きた情報」を発信していく場がまずは必要であると考え、ペットの医療を取り扱うメディアを立ち上げました。