目に傷があるかも!?角膜潰瘍について

好奇心旺盛なワンちゃんがお散歩中に藪の中に顔を突っ込んでクンクン何かを探していました。たくさん歩いて大満足で帰宅した直後から急に涙の量が増えたり、目ヤニが増えたり、顔を気にする仕草をし始めました。
こんな飼い主さんからのコメントを聞いた時に一番始めに疑うのは外傷による”角膜潰瘍”です。

犬の目に傷がついた!?角膜潰瘍とは?

角膜潰瘍ってどんな病気?

角膜は目の一番表面の層です。角膜は傷がつかないように涙で潤いを保持し、瞼によって外の刺激から守られています。
角膜潰瘍は短頭種に多い傾向があります。理由は単純で鼻が短いために目に傷を作ってしまう子が多いためです。また、シーズーやコッカースパニエルなどの目が大きい犬種は、外傷にさらされる危険が高いため要注意です。
背景に、感染症や乾性角結膜炎などがある治療に対する反応が鈍い”難治性角膜潰瘍”になり、治療が長引くこともあります。

角膜穿孔とはどのような状態?

さらに角膜潰瘍に関連して、最も気をつけなくてはならないのが”角膜穿孔”です。
角膜穿孔は角膜を貫通するような穴ができる状態です。症状は表面の角膜だけにとどまらず、より内部の組織にも影響がでます(ぶどう膜炎など)。
潰瘍と穿孔は傷の深さの違いによりますが、治療は全く異なり、穿孔の場合は、すぐに外科手術が必要な場合もあります。

症状

涙の量が多い、目が赤い、目をしょぼしょぼさせる。この3つは目が痛いときに出る三大症状であり、覚えておいてくださいね!
また、細菌感染などがあると黄色い目ヤニが出たりします。

原因

ドライアイ、目に物が当たった、目の中に異物や薬品が入った、が代表的です。
その他に、外側に向かって生えるはずのまつげが間違って内側に生えてきてしまう”逆さ睫毛”や先天的に瞼が内側や外側にめくれてしまい目の表面を適切に保護できない”眼瞼内反症/眼瞼外反症”があります。

診断

角膜の傷を確認するためにはまず視診で眼球の様子を確認し、特殊な染色液で染めることで傷の有無を明確にします。さらに他の疾患が併発していないかのチェックのために眼圧測定や眼科専用のライトで目を詳しく観察します。傷の大きさや深さによって治療の必要な期間は異なります。

治療

表面の浅い傷であれば抗生剤や角膜修復剤の入った点眼治療で良化します。また、目の保護の目的でエリザベスカラーを着用する必要があります。順調にいけば1週間程度で元の角膜に回復してくれます。

穿孔の一歩手前、比較的傷が深い場合には目の表面に血管が侵入する、より複雑な治癒過程になります。完治まで数週間から数ヶ月かかることもあり、元のクリアな角膜には戻れずに色素沈着や白濁が残ることもあります。

角膜表面の浮いた角膜を剥がしたり、傷をつけて創部の治癒を促す治療、結膜の一部を使って創部を覆う手術、治療用ソフトコンタクトレンズなどなど潰瘍の程度やできた場所、犬の性格によって適切な治療を選択します。

外科手術が必要な場合

角膜穿孔に至った場合は外科手術が必要になります。眼科の外科手術には特殊な装置や専門技術が必要なため、眼科専門病院での処置が必要です。まずはかかりつけ医で紹介状を書いてもらいましょう。いずれにしても眼科疾患は放置しておいて治ることはほとんどありません。
気になる症状が出た時はできる限り早く動物病院を受診しましょう。

〜まとめ〜

角膜潰瘍は傷の深さによって重症度や治療期間、必要な治療が異なる

角膜潰瘍が角膜穿孔に移行しないように、慎重な経過の観察が必要

眼球の状態によっては外科手術が必要

 

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