動物病院の値段(費用)が違う理由とは?

web2.0時代の今。誰でも情報発信できる世の中になりましたが、最近では動物病院へ行った系の報告も良く目にします。そんな中で、動物病院の診療費についての意見・批判について議論が交わされるのをよく見かけます。あの病院では、ワクチン安かったのに!こっちではあんなに掛かった!などなど。そこで、今回は値段(費用)に違いが生まれる原因について考察してみたいと思います。

動物病院の値段(費用)が動物病院ごとに違う理由とは?

自由診療とはなにか

ヒト医療の場合、診療報酬制度が国家として導入されており、各々の診療行為について細かく点数が決められており、それに基づいて診療費が決定され、基本的には全国民が一律3割負担で医療を受けられる制度になっています。

それに対して、自由診療とは厚生労働省が承認していない薬や治療を患者が受ける際の診療のことで、この場合、100%自己負担になります。

動物病院は保険診療?それとも自由診療?|値段(費用)が違う理由

動物病院での動物医療では、医療費の財源の大部分を患者の自己負担にゆだねており、保険費が占める割合は15%ほどにすぎません。

また、ヒト医療のように診療報酬制度がなく、診療行為の料金は均一ではありません。分かりやすく言うと、値段(費用)設定に関しては、普通のお店と一緒なのです。これにより違いが出てきます。

普段の我々の生活と同じように、同じものでもスーパーより、コンビニの方が少し高かったり、格安スーパーがあれば、高級スーパーがあるのと同じように。そのため、動物医療は我々が思うに、保険診療でもなければ、自由診療ともいえないのです。

動物病院の医療費の値段設定はいかに?

企業の環境分析では、よく3Cというフレームワークが用いられます。つまり、飼い主(顧客:cusomer)、自社動物病院(自社:company)、競合動物診療施設(競合病院:competitor)の3Cを意識した価格設定を行わないといけません。

飼い主からしたら、受ける医療に対する満足感は、診療の内容、病院での対応、診療費など価格以外の要素も関与してきます。

自社病院では、コストを考慮して値段(費用)を設定しないといけません。院長一人で成り立っている病院と複数人の獣医師、看護師、スタッフからなる病院とでは、コスト構造は大きく異なってきます。また、競合の病院も意識しないといけません。

その先生しかできない手術であれば、高くても飼い主様は納得するでしょうし、逆にワクチンなど一見誰でもできるようなことであれば、つい安さに目を奪われてしまうかもしれません。

今後の動物病院における動物医療費の動向は?

まず、大前提としてヒト医療のように、医療の財源が公費で賄われることは考えられません。それは、少なくとも現代で人が主役であるからです。それを踏まえると、診療報酬制度が導入される可能性も低いと考えられます。

そう考えると、今後の動物医療費の負担を軽減するには、ペット保険に加入し、ペット医療費の財源を自己負担から保険料負担へシフトさせることが現実的に可能かつもっともらしい解決策なのではないかと考えられます。

今後、動物病院は生存するために、低価格競争をするのではなく、既存の医療に付加価値をつけた動物病院が勝ち残るのではないでしょうか。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

「ペットの救急医療を可視化する」をミッションに掲げるANICALの獣医師が執筆。ペット2.0を意識した世界観で問題の本質を問うような記事の作成を心掛けています。