犬の 咳 はなぜ起こるのか?原因のランキング

呼吸器の疾患で最も多い症状というと、思いつくのは「咳」でしょうか。呼吸器疾患には大きく分けて上部気道疾患と下部気道疾患があります。本記事では咳の原因について、臨床的に出会うことが多い順にご紹介します。

ご自宅の愛犬が咳をしている場合は、ぜひ一読ください!

犬の咳はなぜ起きる?原因は?

そもそも咳はどのようにして起こるのか?

咳は、気道に存在する咳の受容体が刺激されることで起きます。咳の受容体を刺激する要因は、主に4つあります。

機械刺激
⇒物理的な圧迫(リードを引っ張る、気管が圧排されるなど)

炎症刺激
⇒感染などにより、炎症が起きることで炎症細胞が咳受容体を刺激する

化学刺激
⇒刺激性のガスや、たばこの煙など

冷気刺激
⇒乾いた冷たい空気が刺激となる。加湿器をつける理由のひとつ。

犬の咳の原因は?

炎症性 |犬の咳の原因

炎症が起きている部位によって呼び方は異なりますが、基本的には炎症が起こっていることが咳の原因です。炎症が起きると腫れたり、粘液の分泌が過剰になります。これにより空気の通り道が狭くなったり、痰が絡んだりします。呼吸がしにくくなるので、原因を取り除こうとする身体の反射が「咳」として現れます。 

・咽頭炎
・扁桃腺炎
・気管気管支炎
・アレルギー性気管支炎 

・気管虚脱

気管が狭くなることで気管の咳受容体が反応し、咳へとつながります。 また、気管が狭くなることで粘膜が刺激を受けるため、炎症や気管の分泌物が増えます。その結果、さらに悪化し慢性化することとなります。

気管虚脱は程度により症状が異なります。興奮した時だけ咳が出る子や、眠れないぐらい咳が止まらない子もいます。 外科手術により気管を広げる方法もありますが、多くは内服薬による症状の緩和を目指します。

・気管支拡張症 

慢性的な咳が長期間持続すると、気管支の構造が緩み気管支が拡張します。気管支の緩みは分泌物や細菌の貯留につながるため、炎症や感染へと悪化します。慢性的に徐々に進行する疾患であるため根治は難しく、咳の症状を緩和する治療を行う必要があり、内服薬や霧状の薬剤の吸入が効果的な方法です。 

左房拡大|犬の咳の原因

犬で好発する慢性僧帽弁閉鎖不全症では、僧帽弁逆流が増加することで心臓に容量負荷がかかり、徐々に心臓が大きくなります。これにより気管支を外から圧迫、刺激する格好となり、咳が誘発されることがあります。

腫瘍性 |犬の咳の原因

気管の通り道の近くに腫瘍性の病変ができることで咳が出る状態です。気管の物理的な圧迫により気道が狭くなることで咳が症状として現れます。 原因は腫瘍による圧迫なので、腫瘍に対する治療(外科的切除や抗がん剤治療など)が必要です。

・縦隔

肺が収まっている胸郭の頭側にある領域です。気管や食道が通る道なので、ここに腫瘍ができると、咳やえづきが症状として見られます。

・喉頭 

喉から食道や気管に分かれる領域のことを指します。喉頭にも咳の受容体が存在するため、喉頭の腫瘍でも咳が誘発されます。

・気管 

気管の付近に腫瘍ができると、機械刺激により、咳が症状として現れることがあります。

アレルギー性|犬の咳の原因

気管支喘息 

で見られ、タバコの煙やダニなど環境中の因子に反応していると言われているが、はっきりとした原因は解明されていません。程度によっては呼吸困難に陥ることもあり、あなどれない疾患です。

気管支喘息はアレルギー疾患に位置づけされ免疫が関連しているため、ステロイドなどの薬剤で免疫を抑制することで症状をコントロールすることを目指しましょう。 

異物 

気管に異物が侵入すると、身体は咳をして懸命に異物を外に出そうとします。人でも気管に物が入りそうになり、むせる経験は誰しもありますよね? 

免疫が弱まっている高齢の子では誤嚥性肺炎を起こし、最悪亡くなるリスクもあるため、嚥下機能が低下している患者は注意が必要です。

 

〜まとめ〜犬の咳の原因について

▷咳の原因は、心臓性もしくは呼吸器性に大別できる。

咳が出ていると思ったら、動画を撮影してください!咳ではない場合もあります。

▷咳は慢性化するとQOLを著しく低下させます。
 慢性化している場合は、胸部(心臓、呼吸器)の評価をおすすめします。

痒みの原因については、こちら

【犬の かゆみ の原因ランキング】

2018年12月1日

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

獣医師が獣医療について飼い主さんに情報発信する場所を作りたい。「生きた情報」を発信していく場がまずは必要であると考え、ペットの医療を取り扱うメディアを立ち上げました。