知っておきたい!DIC(播種性血管内凝固)について

一般には聞きなれない名前ですが、医療者が恐れる病的状態があります。それが『DIC/播種性血管内凝固』です。この病的状態によって命を落としてしまう子は大変多いです。何故なってしまうのか?DICと診断された時には何をしてあげれるのか?怖い病気だからこそ、飼い主の皆様にもDICへの理解を深めていただきたいです。

DIC(播種性血管内凝固)ってどんな病気?

そもそもDICは疾患というよりは何らかの基礎疾患を持っている犬や猫の血液の性状が状態が悪くなっている病的状態を指す言葉です。

血液ってどんな役割があるの?

ではまず初めに血を止める際の血液の働きをサクッと理解してみましょう。通常、血液の中には①血を固める材料②固まった血を溶かす仕組みがあります。身体のどこかで出血した時には、①が働いて出血を止めます。血が止まった後、血栓を溶かすために②が働きます。
適切な場所で①と②がシーソーのようにうまくバランスを取って働くことで、身体は出血に対して上手に対処しています。身体の仕組みは本当によく出来ていますね。

DIC(播種性血管内凝固)はどんな状態?

しかし、DICはこの均衡が崩れてしまった状態です。後述する基礎疾患により血液状態が悪くなると、至る所で微細な出血が起こるため①血を固める材料がたくさん使われます。身体の許容量を超えて①が進みすぎてしまうと、身体中で血栓ができ脳梗塞や心筋梗塞、多臓器不全を起こしてしまうのです。また、凝固が亢進するとそれに伴い、②固まった血を溶かす仕組みが過剰に働き、出血しても止まらない状態も同時に発生します。
つまり、身体中で血栓ができると同時に、身体中で出血しやすい状態がDICであり、最悪死に至ります。

DIC(播種性血管内凝固)を引き起こす病気

・血管肉腫、乳腺癌、組織球肉腫、肺腺癌、肝細胞癌、リンパ腫、白血病に代表される悪性腫瘍
・免疫介在性貧血、急性膵炎、熱中症、敗血症、子宮蓄膿症、腹膜炎、胃拡張捻転症候群に代表される強い感染症や炎症疾患

難しい疾患の名前を敢えて列挙したのは、様々な疾患が原因でDICが起こりうることをお伝えしたかったためです。それぞれの疾患については、追々記事の追加を行って行きます。

DIC(播種性血管内凝固)の治療

DICの治療には基礎疾患の治療を行うと同時に血栓を予防する治療を行います。基礎疾患はその種類にもよりますが、外科適応の疾患もあるためDICをよくケアした上で麻酔に挑む必要がある可能性があります。血栓を予防する治療には、これ以上血栓を作らせないためにも適切な静脈点滴や血栓を溶かす効果のあるヘパリンを用います。また現段階では限られた施設でのみ可能ですが、動物への凝固因子を補充する輸血を行うことができる動物病院もあります。
輸血に関しては獣医師に相談の上、施設の紹介を受けましょう。

 

DIC(播種性血管内凝固)の理解しておきたいまとめ

・DICは①血を固める材料②固まった血を溶かす仕組みのバランスが崩れた時に起こる

・血液状態を悪くする可能性のあるあらゆる基礎疾患がDICの原因になりうる

・①血を固める材料が使い切られてしまうような状態になる前に基礎疾患の治療を開始すればDICはある程度防ぐことができる

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