知っておきたい眼の緊急疾患~緑内障~

「緑内障」という言葉は、みなさん一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?しかし、それがどのような病気か説明できる人は少ないのではないでしょうか。「眼圧上昇や網膜視神経節細胞の機能低下や壊死などにより進行性の視覚異常や盲目を伴う一連の症候群」と定義されています。今回は、わかりやすく説明していきたいと思います。

眼房水について

緑内障について解説する際、切っても切れないのが眼房水についてです!眼房水とは、水晶体に栄養を供給し眼圧を維持するために、網様体上皮細胞から眼房水が産生されます。産生された眼房水は後眼房から瞳孔部分を経て前眼房へと出ていきます。眼房水の約90%は隅角から線維柱帯を通り強膜静脈洞から静脈へと流出します。残りの10%はぶどう膜強膜流出路によって排出されます。眼圧は眼房水によって10~20mmHgの範囲に保たれています。
この眼房水がないと、眼球はつぶれてしまいますが、過剰に存在すると網膜視神経を圧迫し、視覚障害を引き起こします。

緑内障とは?

緑内障は「眼圧上昇や網膜視神経節細胞の機能低下や壊死などにより進行性の視覚異常や盲目を伴う一連の症候群」と定義されています。ただし、眼圧が正常であっても視覚障害を呈する正常眼圧緑内障も存在し、視神経の脆弱性における個体差や視神経乳頭部の循環障害など眼圧以外の因子も関与していると考えられています。緑内障はその他の目の疾患から発症する続発性緑内障と原発性緑内障があります。

続発性緑内障

続発性緑内障は、網膜剥離後のシー・ズーや白内障手術後のトイ・プードルで多く見られます。また、猫では原発性緑内障はまれであり多くが、続発性緑内障を発生します。また、緑内障はぶどう膜炎に続発し、高齢になると眼内腫瘍に続発した緑内障も多く見られます。

原発性緑内障

日本で最も遭遇する原発性緑内障は、原発性閉塞隅角緑内障であり、眼房水の流路で解説した線維柱帯などの隅角構造物が観察できない症例です。この病気は柴犬やその雑種、コッカー・スパニエルなどに好発するので、注意が必要です。遺伝的素因とともに、前眼房の加齢性変化も原因と考えられています。発症後短期間で視覚喪失を起こしてしまうことがあるので、眼を痛がってパチパチしていたり、充血していたり、角膜が濁っていたりした場合動物病院に連れていくことをオススメします。

緑内障を疑う症状

・眼が赤い
・眼を開けられない
・目がピクピクしている
・眼が飛び出ているように見える(牛眼という慢性症状)
・涙が多い
・眼脂が出る
・眼が見えてなさそう(壁にぶつかる)

急性の緑内障の場合、痛みを伴うことが多いです。犬、猫の場合、目に痛みがあると「目をしょぼしょぼさせる」、「涙の量が多い」、「目が充血する」ことが多いです。そのため、この3大症状が認められた場合は、すぐに動物病院へ連れていきましょう。もちろん、痛みの原因は、緑内障だけではありませんが、早急に治療しないと後に視覚に障害が残る可能性があります。
特に緑内障の初期は、結膜の充血しか症状がない場合があります。緑内障は正しく治療を行わないと視覚が喪失する疾患のため、必ず動物病院の診察を受診するようにしましょう!

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ABOUTこの記事をかいた人

「ペットの救急医療を可視化する」をミッションに掲げるANICALの獣医師が執筆。ペット2.0を意識した世界観で問題の本質を問うような記事の作成を心掛けています。