犬や猫の低血糖の原因に迫る!

「血糖値」と聞くとチョコレートを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?ちなみに犬にチョコレートはあげてはいけません。
血糖値は高すぎても、低すぎてもいけません。今回は、犬と猫の低血糖について解説していきます。
健康な子が日常生活でなることはほとんどありませんが、時には発作などの症状も出るため、今回は低血糖について学びましょう!

犬と猫の低血糖という言葉を理解

低血糖の病態

”低血糖”とは読んで字のごとく、血液中の糖分が何らかの要因によって低下し、それにより症状が出ることを言います。
低血糖になりうる要因がいくつかあります。
この要因には若齢で出やすいものと、高齢で出やすいものがあります。

低血糖の原因は?

グルコースとは、「エネルギー源」です。我々人も犬もグルコースからエネルギーを作り出しています。
グルコースは、主に肝臓と筋肉に蓄えられています。
しかし、若齢の子はまだ肝臓の機能が未発達のため、絶食状態が続くと低血糖になることがあります。
特に身体の小さい小型犬や、猟犬や競技犬のように激しい運動をする子に多い傾向があります。

他に、先天的に門脈体循環シャントという肝臓に血液が十分届かない病気があります。
この疾患の子は、消化管で吸収された栄養が肝臓を素通りすることでグリコーゲン合成が低下し(グルコースを蓄えること)、結果として低血糖症状を示すことがあります。

高齢の低血糖の要因は?

反対に高齢の子は腫瘍やアジソン病による低血糖が考えます。
腫瘍やアジソン病を身体に持っていると、血糖値のコントロールが乱れ、低血糖の症状が出ることがあります。
そして、年齢に関わらず重度感染症による敗血症では身体の血糖の要求量が急増することで低血糖になることがあります。
さらに、人為的なものとして糖尿病の治療に用いるインスリン製剤の過剰投与によって低血糖を起こす子もいますので、糖尿病治療中の犬と猫は注意が必要です。

低血糖ではどんな症状が出るの?

血糖は脳を含めて身体中の細胞が働くためのエネルギーの役割をしています。
特に、脳はエネルギー源としてグルコースに依存しているため、低血糖状態になると神経系のエネルギー不足による虚弱、発作、運動失調、震えがでます。
もし発作が出た時には、まず深呼吸をしてください。飼い主様の冷静な対処が必要です。
移動手段を確保して、直ぐに動物病院に向かいましょう。可能であれば発作の動画を撮ったり、移動中に動物病院に連絡して指示を仰いでください。低血糖の状態が長く続くと、最悪の場合命に関わることもあります。

低血糖の治療

動物病院であれば、迅速な処置が可能です。
血糖値を測定して低血糖による発作が疑わしい場合には、静脈からグルコースの投与を行います。血糖値が戻れば症状はすぐに改善します。
その他にも病態的にはブドウ糖入りのシロップを舐めさせたり、ご飯を食べさせることで血糖値を上げることもできます。
ただし発作が出ていて口からの摂取が難しかったり、発作の原因が低血糖でない可能性もあるので先ずは動物病院に向かうことをオススメします。

低血糖の検査

低血糖による発作を疑う時には、低血糖をもたらした原因を精査する必要があります。
血液検査や超音波検査、レントゲン検査、尿検査によって門脈体循環シャントや腫瘍、アジソン病、重度感染症が隠れていないか探します。
原因疾患がある場合はそれに対する治療を行うことになります。
しかし、若齢性や激しい運動、インスリンの過剰投与による低血糖の可能性が高い場合は1日の食事の回数を増やしたり、グルコース入りのシロップ舐めさせることで低血糖になることを予防することもあります。

〜まとめ〜

▷若齢の犬では、肝臓が未発達のため、絶食による低血糖のリスクが高い

▷低血糖になる原因は、グルコースの摂取不足(絶食、代謝障害)またはインスリン過剰による(腫瘍、医原性)

▷糖尿病治療中の低血糖発作に対しては、応急処置としてシロップを舐めさせる

 

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