犬の 椎間板ヘルニア の概要・原因・治療

犬の 椎間板ヘルニア について

犬は他の動物に比べて「 椎間板ヘルニア 」になる割合が高いと言われています。人でも「椎間板ヘルニア」はよく耳にしますが、実際どんな病気なのか知らない方も多いのではないでしょうか?今回は「椎間板ヘルニア」について紹介します。

椎間板ヘルニアって?

そもそも「ヘルニア」とは一体どんな病気なんでしょうか?

医学事典によると「ヘルニア」とは「大網膜、脂肪組織などの組織や子宮、腸管などの臓器が体壁の先天的あるいは後天的の欠損部、裂隙(れつげき)を通じて、本来存在する部位より脱出した状態」と定義されます。

つまり、「体のどこかの壁に穴が開き、そこから組織が出てしまった」という病態のことを言います。
わかりやすい特徴として以下のことが挙げられます。

・本来存在するべき体壁がない
・圧力がかかった側に突出する
・突出した組織は、元の位置に戻る仕組みである

椎間板ヘルニアは犬において最も罹患しやすい神経疾患に一つで、その病態は多岐にわたります。

十数年前まではミニチュア・ダックスフンドの椎間板ヘルニアに件数が多かったですが、最近ではフレンチブルドックや高齢のチワワなど様々な犬種で椎間板ヘルニアを診断する機会が増えてきています。

椎間板の役割は以下の二つがメインです。

・脊椎の可動性および安定性を提供する。
・椎体間の圧縮力を吸収する緩衝材として弾力と柔軟性を保つ。

椎間板は水分保持に必要なプロテオグリカンやコラーゲンを主成分として、血流が乏しいため、自然に修復する能力が低く、感染に弱いと考えられています。

犬の椎間板ヘルニアの原因

椎間板の変性は、様々な要因が関与しています。軟骨異栄養性犬種(ミニチュアダックスフンドやコーギー)では遺伝的に椎間板の変性が早期に起こりやすいと言われています。

また、加齢や物理的ストレス、不安定性などさまざまな要因によって、椎間板のプロテオグリカン量が減少し、弾力性や柔軟性が失われ、栄養供給が障害されることによっても生じることもあります。

犬の椎間板ヘルニアの保存治療

犬の椎間板ヘルニアの治療法は重度な場合(頸部の痛みが取れない、四肢の神経機能障害、痛覚を失っているなど)では外科的処置を行いますが、軽度な場合は「保存療法」を行います。

一般的に保存療法は運動制限や薬剤によるペインコントロール、脊髄保護、機能回復のリハビリなどを主体とします。

薬物治療などは主に獣医師の判断になりますが、運動制限は飼い主さんが協力できる治療法だと思われます。

ケージレストによる運動制限は一般的に動物の体長の1.5倍を目安とした領域で、かつジャンプできない場所で管理を行うことがメインと考えられています。

犬の椎間板ヘルニアの予防法

遺伝的要因はある程度仕方がないですが、椎間板ヘルニアのリハビリには筋肉が必要なので、子どもの時からバランスの良い食事と適度な運動が大切です。太っていると関節を痛めやすいため、スリムな標準体型を維持しましょう。

また、抱っこするときも仰向けや両脇の下に手を入れて立たせるような「縦抱き」は背中に負担がかかります。基本的には首の下とお尻の下の四肢の間に腕を入れて、抱っこするといいでしょう。

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2018年8月1日

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