小型犬の 膝蓋骨内方脱臼 とは?スキップ?

小型犬の「 膝蓋骨内方脱臼 」とは?スキップ様歩行が見られる病気

ざっくり言うと…

︎︎︎︎☑︎膝関節の働きが上手くいかないと、 膝蓋骨脱臼 を引き起こす。

︎︎︎︎☑︎3歳以下の小型犬で、遺伝的あるいは成長性に膝蓋骨内方脱臼が認められることが多い。

︎︎︎︎☑︎病院に行くかどうかの重症度は普段の歩行で判断できる。

ペットブームのピークの時のワンちゃん達が高齢となり、人間と同じように運動器の疾患が多く見られるようになりました。その中でも、多く見られる疾患が膝蓋骨脱臼。

膝蓋骨脱臼の中でも、多く見られる「膝蓋骨内方脱臼」(特に小型犬に多い)に焦点を絞って解説していきます。

膝関節の構造と膝蓋骨脱臼のメカニズム

膝関節は大腿四頭筋とその筋膜、膝蓋骨および膝蓋靭帯からなります。大腿四頭筋は外側広筋・内側広筋・中間広筋および大腿直筋により構成されます。

大腿直筋のみ腸骨の腸恥隆起から、その他の筋は大腿骨の骨盤側から起始し、膝蓋骨で合流した後、膝蓋靭帯へと続き、脛骨粗面に終始します。

膝蓋骨は大腿四頭筋の筋膜に包まれた大型の種子骨であり、大腿骨滑車溝内を滑り動くことで、大腿四頭筋が正しい方向に動くように維持しています。

大腿四頭筋が収縮すると、膝蓋骨は大腿骨滑車溝内を直線的に動くことにより、膝蓋骨以下に続く膝蓋靭帯や脛骨が正しい方向に引っ張られることで、膝関節は伸展します。

膝関節は蝶番関節と呼ばれる構造で、関節の一方の骨(大腿骨)は、円柱の断面のような形で丸くでっぱっており、もう一方の骨(脛骨)は、円柱部分がぴったりはまりこむ溝のような窪みになっています。

膝蓋骨によって、大腿骨と脛骨が潤滑に伸展出来るような働きをしています。

膝蓋骨の動きで重要なポイント

その働きには主に以下の2つのポイントが重要です。

動力軸(大腿骨)からもう一方の軸(脛骨)に動力を伝達するため軸同士を結合する(膝関節)際、それぞれの回転軸が運転状態(膝関節の伸展)で同一線上に位置するよう位置を調整する

・膝関節包や大腿膝蓋靭帯など膝蓋骨周囲の軟部組織の強調

膝蓋骨脱臼はこれらの働きが正常に機能しないことにより、膝蓋骨が上手く大腿骨滑車溝内に収まることが出来なくなることで、脱臼してしまいます。

膝蓋骨内方脱臼を好発する犬種

小型犬

・チワワ

・トイ・プードル

・ポメラニアン

・ヨークシャー・テリア

大型犬

・ラブラドール・レトリーバー

・ブル・テリア

若齢(3歳以下)で発症することが多く、そのほとんどが外傷よりも遺伝的素因である先天的なものであったり、成長に伴う疾患であったりすることが多いです。

主な 膝蓋骨内方脱臼 の症状(グレード別)

グレード1:通常の歩行で脱臼することは稀です。膝関節を最も伸展させた時に、膝蓋骨の脱臼を誘発することがあります。

グレード2:自発的な脱臼が認められ、時々スキップ様の歩様を呈するが、屈伸により自然と整復されます。

グレード3:常に脱臼が認められます。外部から整復可能であるが、膝関節の屈伸運動により再脱臼してしまいます。

グレード4:常に脱臼が認められ、外部からの整復も難しい状態で、膝関節の伸展すら困難です。

完全に悪化する前のグレード2の段階で病院に連れて行くことをお勧めします!

併発に注意が必要な病気

膝蓋骨内方脱臼が認められた際に注意が必要な併発疾患を軽く紹介します。

若齢犬:小型犬では大腿骨頭無菌性壊死症(レッグ・カルベ・ペルテス病)、中型~大型犬では股関節形成不全や離断性骨軟骨症などがあります。

中年~高齢犬:前十字靭帯疾患、免疫介在性関節炎および骨関節症などがあります。

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2019年12月30日

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