犬の自己免疫疾患「 天疱瘡 」について

犬の自己免疫疾患「 天疱瘡 」について解説

ネットに載ってるような皮膚病対策はばっちりしてるのに、なんでうちの子は皮膚病になっちゃうんだろう…と思っている方はいませんか?それは皮膚の自己免疫疾患かも知れません!今回は皮膚の自己免疫疾患について詳しく見ていきましょう!

そもそも自己免疫疾患って何?

ワンちゃんネコちゃんには生まれつき抗体と呼ばれる外から入ってきたものを攻撃・排除する機構が備わっています。その抗体が正常に働かなくなってしまい、自分の細胞を異物と認識してしまい、攻撃することによって生じるのが自己免疫疾患です。

治療としては、副腎皮質ホルモンと同じ作用を持ち炎症を抑える働きと免疫を抑制する働きを持つステロイド薬や、免疫反応の中心となるリンパ球の増殖や機能を抑える働きを持つ免疫抑制薬を使用します。

犬の皮膚における自己免疫疾患と言えば?

犬の皮膚における自己免疫疾患の代表的なものとして、

・天疱瘡

・エリテマトーデス

があります。

天疱瘡は表皮の細胞の結合に関するデスモソームを認識する自己抗体によって発生する自己免疫疾患です。

エリテマトーデスは感染症や紫外線、寒冷刺激などに伴い、免疫複合体が細胞に沈着する過敏症です。皮膚に限局した病態から腎臓や造血器まてま波及する全身性の病態までの幅広い炎症性疾患です。

天疱瘡

天疱瘡には、落葉状天疱瘡・尋常性天疱瘡や紅斑性天疱瘡など様々な分類に分けられます。中でも、一般的な落葉状天疱瘡と尋常性天疱瘡について見ていきましょう!

①落葉状天疱瘡

ワンちゃんに最も多く見られる天疱瘡で、特に中~高齢のワンちゃんに見られます。表皮細胞間抗原であるデスモグレイン1に対する自己抗体が細胞間隙に沈着し、表皮細胞が解離して棘融解細胞という球状の細胞となります。

鼻背部、眼瞼周囲、耳介や肉球などを中心に、膿疱や痂皮(かさぶた)、小さな水泡が見られます。組織学的には、角質層の下に膿疱を形成します。発症部位によっては、脱毛、浮腫、疼痛、リンパ節症による元気喪失や発熱、跛行(ふらふら歩くこと)が見られることもあります。

②尋常性天疱瘡

落葉状天疱瘡とは異なり、多くの場合口腔粘膜などの粘膜に病変が生じます。デスモグレイン3に対する自己抗体によるもので、口腔内、目の周囲、耳介や肛門などに水泡、びらん、潰瘍および痂皮を形成します。基底層の直上で病変を作るため、落葉状天疱瘡よりも深い部位に病変が出来ることが特徴です。

ともに、細菌などによる二次性の感染にも注意する必要があります。

序盤で紹介したエリテマトーデスについてはまた別の記事で紹介します!

まとめ

皮膚病には環境などとは関係のない自己抗体によるものが存在する

皮膚の自己免疫疾患には天疱瘡やエリテマトーデスなどがある

代表的な天疱瘡には落葉状天疱瘡と尋常性天疱瘡がある

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2018年12月1日

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