短頭種の 皮膚 ・耳の病気|パグやブルドッグ必見

短頭種の好発疾患、第一弾は「目の病気」、第二弾は「呼吸器の病気」について紹介しましたが、第三弾となる今回は「皮膚の病気」とそれが原因で付随する「耳の病気」について紹介します。

短頭種の目の病気を解説|パグやブルドッグ必見!

2018年12月2日

短頭種の 皮膚 疾患について

深在性膿皮症

膿皮症は発症部位により「浅在性」と「深在性」に分かれ、浅在性膿皮症は一次診療では毎日のように診るタイプの皮膚疾患で、様々な犬種で見られます。一方、深在性膿皮症は浅在性膿皮症と比べて診察する機会も少ない印象があります。また、浅在性と深在性では発症部位や発症の背景も大きく異なります。

深在性膿皮症は、何らかの原因で真皮から皮下織にまで細菌が感染している状態であり、浅在性膿皮症からの続発が最も一般的であり、毛包内への細菌感染の際に、破綻した毛包から周辺組織へと細菌が漏れ出ることがキッカケです。また深在性膿皮症は何らかの疾患に続発することが多いため、深在性膿皮症を疑う場合は、その他に原因がないか十分に考慮する必要があります。

また、細菌感染以外にも、短頭種の深在性膿皮種では「硬い被毛」も原因となります。フレンチ・ブルドッグやパグの硬い被毛は、表面から圧迫されることで毛包へと突き刺さり、最終的には毛包構造が破綻して、異物反応を中心とした炎症が起こる可能性があります。

臨床症状は、毛包を中心とした真皮に強い炎症を起こします。皮疹としては結節、丘疹、膿疱、などを呈し、皮下織にまで炎症が及ぶと、蜂窩織炎を生じる場合もあります。皮下織の炎症が強くなると、隆起部に膿疱や出血が見られ、潰瘍や血痂を呈します。
短頭種の場合、下顎や足根関節付近など頻繁にこすれる部位や体重がかかる部位に発症しやすいです。

皺壁の炎症

皺壁の炎症は、短頭種の最大の特徴である「深いしわ」に見られ、顔のしわやしっぽのの根元のしわは深いため、皮膚炎が起こりやすいです。この皺の内側で起こる皮膚炎にはいくつかの発症因子があります。

・皺の深さと閉鎖環境

同じ短頭種でも鼻が長めで皺のへこみが緩やかな子では、炎症が比較的起こりにくい印象があります。逆に、体重過多で皺が厚みを増した深い皺を持った子なら、炎症は起こりやすいです。

・擦れる

短頭種の毛は硬く短いです。皺は中の毛も同じように硬く、皺同士でが擦れた時に刺激になりやすいです。

・細菌繁殖

皺の内側は非常に蒸れやすく、細菌やマラセチアが増えやすい環境にあります。これらの菌が増えると匂いも強くなり、特に脂漏症の場合は皺の間に皮脂が溜まるため、細菌やマラセチアのコントロールが重要です。

・角膜炎

皮膚病と角膜炎は一見関係なさそうですが、角膜炎に付随して発症することがあります。
皺の盛り上がった部位に生えている毛が眼球を刺激することで慢性的な角膜炎を生じます。角膜炎により涙が毛を伝って皺の間に流れ込み、湿度が高く、細菌が繁殖しやすい環境になります。

耳 の疾患

外耳道炎

外耳道炎は外来診療において日常的に遭遇する疾患であり、獣医師を悩ませる症状も多いです。特に短頭種では再発性や慢性経過をたどる外耳道炎に遭遇する機会が多い印象です。

短頭種で注目すべき原因

アレルギー性皮膚炎→フレンチ・ブルドッグ、シー・ズー、パグ
アレルギー性皮膚炎は掻痒を主徴とした慢性皮膚疾患です。特に外耳道炎の原因として検討すべきアレルギー性皮膚炎は、犬アトピー性皮膚炎(CAD)と食物有害反応が挙げられます。特にCADに関しては遺伝的背景が強く、上記の犬種が好発犬種になります。

耳垢の産生過多→シー・ズー、パグ
先天的に耳垢産生過多の犬種で、耳垢の排出を目的とした継続的な耳洗が必要です。

外耳道の構造→フレンチ・ブルドッグ、シー・ズー、パグ
垂れ耳であり耳垢が耳道内に溜まりやすい・耳介が耳孔部を塞ぐことで耳道内の湿度が高くなる・耳介内部の凹凸が激しいため、耳垢の蓄積や二次的な感染が生じやすいなどがあります。

内耳疾患

犬の内耳炎は中耳炎から波及したものであり、そのほとんどが細菌感染によるものです。短頭種の場合、外耳炎を好発することはもちろん、水平耳道の軟骨形成異常や狭窄、耳管狭窄、鼓室胞内容物が排泄されにくい特徴が中耳炎を悪化させ、内耳炎の発症率をあげる要因にもなります。

症状としては外耳炎や鼓膜の破裂・損傷・異常所見、神経症状を伴う場合、内耳炎を疑った方がいいでしょう。さらに内耳には顔面神経、前庭・蝸牛神経、交感神経が存在するため、末梢性の顔面麻痺や前庭障害、難聴などを引き起こし、重症化すると中枢神経にまで波及し、髄膜脳炎を呈します。

短頭種の呼吸器病とは?パグやブルドックは注意!

2018年12月6日

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