犬と猫の 皮膚 の構造・病気(病変)について

犬と猫の 皮膚 の構造

☑︎皮膚は外部環境から身を守る障壁。

︎︎︎︎☑︎皮膚の構造を知っておくことで、皮膚病の理解に役立つ。

︎︎︎︎☑︎皮膚の基本的な病変を知っておこう。

可愛かっているワンちゃんネコちゃんの毛が抜けたり、皮膚がただれてしまったりしていたら、かなりショックですよね…。
今回は皮膚がどのような構造をしているのか、どのような病変があるのか解説していきます!
病変はかなり多岐に渡るので、ぜひこんなのがあるんだ〜と頭の片隅に入れておいて、何が皮膚について異常を見つけたときにはこの記事を見返してみて下さい!

そもそも皮膚って…?

皮膚は体表を覆う生体の防御に関わる重要な器官です。外界からの物理的・化学的刺激やウイルス・微生物から身体を守ったり、刺激を感じて危険を知らせたりしています。ヒトよりも毛の長いワンちゃんネコちゃんでは皮膚のトラブルは多く見られます。

皮膚 の構造

皮膚は表皮・真皮・皮下組織および皮膚付属器(爪・毛・肉球のみ汗腺・皮脂腺)の4つで構成されています。

表皮

表皮は、下から基底層・有棘層・顆粒層および角質層からなり、暑さは厚くても約0.2mm程度になっています。基底層で次々と作られるケラチノサイトと呼ばれる細胞は分化していきながら徐々に押し上げられて、最終的に垢となってはがれ落ちます。
この細胞は顆粒層までは細胞の中に核がありますが、角質層で角質細胞に変わる際に細胞の核がなくなり死にます。また、角質細胞は非常に扁平で、細胞小器官も欠如しています。この状態を角質化といいます。

また、ケラチノサイトが基底層から徐々に押し上げられ、角質層で角片として剥がれ落ちることをターンオーバーといいます。
ターンオーバーの周期は基底層で作られたケラチノサイトが角質細胞になるまでに14日。角質細胞が角片となって表皮からはがれおちるまでに14日。合計で約28日間かかります。このターンオーバーの仕組みを正常に保つことが皮膚の健康の鍵になります。

真皮

真皮は強靱な線維性結合組織で、細胞成分としては線維芽細胞・組織球・肥満細胞および形質細胞があります。また、多くの知覚神経終末が存在し、触覚や圧力など刺激のセンサーとなります。真皮に通る毛細血管は表皮への酸素や栄養の補給を送ります。

皮下組織

皮下組織の大部分は脂肪成分であり、皮下脂肪はクッションの役割や断熱・保温の効果、エネルギー源にもなっています。

犬や猫の皮膚の病変

犬や猫の皮膚の病変は20種類ほどあり、冒頭で述べたようにかなり様々な形態を取ります。今回は知っておきたい主要な病変を10個だけまとめて解説していきます!

①嚢胞

場所:真皮、皮下組織

特徴:病的に出来た液体性状で、元々何かしらを分泌する場所に出来ることが多い。上皮によって内張りされている。

主な疾患:皮脂嚢胞、毛包嚢胞

②膿胞

場所:表皮

特徴:変性した好中球・細菌・フィブリンを含む化膿性浸出物に満たされた隆起性病変。

主な疾患:細菌感染、天疱瘡

③小水泡・水泡

場所:表皮またはその直下

特徴:小水泡は1cm未満で、水泡は1cm以上。血清やタンパク質などの漿液によって満たされた隆起性病変。

主な疾患:火傷、ヘルペスウイルス感染症

④斑

場所:表皮

特徴:皮膚は盛り上がってなく平坦な病変。色調が他の部位とは異なる。

主な疾患:紅斑(充血による)、紫斑(出血による)、白斑、色素斑

⑤膨疹(蕁麻疹)

場所:真皮

特徴:真皮を通る血管が拡張することによって、真皮が浮腫を起こした状態。赤みを伴うことが多い。

主な疾患:アレルギー

⑥結節

場所:真皮、皮下組織

特徴:炎症性細胞、腫瘍細胞の浸潤、代謝産物の蓄積などにより形成される隆起性病変。中身の詰まった硬い病変である。

主な疾患:感染性の肉芽腫

⑦腫瘍

場所:全域

特徴:組織や細胞が自律的に過剰増殖することによって出来た異常な組織の塊。悪性なものは肉芽腫や癌と呼ぶ。

主な疾患:脂肪腫、扁平上皮癌

⑧落屑

場所:表皮

特徴:落屑とは一般に使う言葉で言うと「フケ」のことである。角質層から出る大小様々な垢。剥がれ落ちなかったり、過剰だったりすると病変と言える。

主な疾患:角化異常症、魚鱗癬

⑨びらん・潰瘍

場所:表皮

特徴:びらんは表皮が部分的に欠損している状態で、潰瘍は表皮の全層欠損で表皮の欠損を超えた状態である。

主な疾患:嚢胞や水泡などが破れることで生じた二次的に形成されたもの

⑩痂皮

場所:表皮

特徴:痂皮とは一般に使う言葉で言うと「かさぶた」のことである。血液、浸出液、変性した好中球、角質物および細菌などが乾燥して固まったもの。

主な疾患:びらん・潰瘍と同様様々な疾患で二次的に形成される

びらん・潰瘍・痂皮のように二次的に形成された非特異的な病変ではどんな病気によるものなのか確定診断を下すことが難しいため、そうなる前の①~⑧までの病変を見つけたらすぐ動物病院に連れていくとどんな病気か診断しやすくなります。

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2018年12月1日

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