獣医師が解説!猫の尿石症について

猫の下部尿路疾患の原因の1つに尿石症があります。ストルバイト結石、シュウ酸カルシウム結石が猫で最も一般的な尿石として考えられています。結石は、腎臓、尿管、膀胱、尿道のいずれかで見られますが、今回は主に膀胱に焦点を当ててみたいと思います。

尿石症とは?発症する理由と結石の種類について

尿石症が起こる理由

尿石症が起こる理由として、食事から摂取した過剰なミネラルや代謝異常により、尿中に高濃度の尿石形成成分が増加し、膀胱内で滞留するとミネラルが結晶化し、尿石の礎が出来上がります。これに、細菌感染や炎症が加わるとさらに尿石形成が促進されます。

猫のストルバイト結石

猫の尿石の50%弱はストルバイト結石(リン酸アンモマグネシウム)と言われています。ストラバイト結石は、細菌感染などが原因で尿中の㏗が上昇すると形成される性質を持っています。

猫のシュウ酸カルシウム結石

シュウ酸カルシウム結石もストルバイト結石と同様の発症率です。ストルバイト結石との違いとしては腎臓での形成が多いことが考えられています。

シュウ酸カルシウム結石は増加している?

シュウ酸カルシウム結石の原因はストルバイト結石の予防療法食の普及だと一説には考えられています。マグネシウムはシュウ酸と結合し、シュウ酸がカルシウムと結合するのを抑制する働きがあります。ストルバイト結石をコントロールするために、マグネシウムを過度に制限した食事により、尿中へのカルシウム排泄量が増加したためとシュウ酸カルシウム結石が増加したといわれています。そのほかにも猫におけるシュウ酸カルシウム結石が形成される原因には屋内だけの飼育環境、一種類だけのキャットフード、以前よりも猫が長生きしていることなども考えられているため、断定はしづらいです。

尿石症の食事療法

尿石を予防するために猫用の療法食を使用することでストルバイト結石の溶解は可能です。状況によって異なりますが、おおよそ4~6週間で溶けると言われています。細菌感染がある場合は、併せて抗生物質による治療が必要となってきます。
ストルバイトと診断されて療法食を始めたが、溶解しない場合は混合結石の可能性もあります。そのため、食事療法中は定期的に動物病院へ行きましょうね。

また、市販のキャットフードは成分が一定ではないため、高い治療効果を期待する場合にはお勧めしません。
膀胱炎、腎不全から猫ちゃんを開放するためにも、動物病院で定期的な尿のチェックを行い、療法食にもチャレンジしていくことで健康的に生活できる時間も長くなるでしょう。

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