獣医師が解説!猫の飲水量が大事な理由

平成29年、日本ペットフード協会の「全国犬猫飼育実態調査」によれば、猫ちゃんの平均寿命は、15.33歳と犬よりも1歳長いと報告されています。やんちゃだった猫ちゃんも、年齢が上がるにつれて段々と病気が心配になってきます。
外観に現れる目の病気や皮膚の病気、歩き方の変化などは比較的分かりやすいのですが、内臓の病気は一目見ただけではわかりません。

しかも内臓の病気は徐々に進行することが多いため、いつも一緒にいる飼い主様はそのゆっくりとした変化には気づきにくいでしょう。意識してみないと気づきにくい変化は、人に言われると「確かに!、そういえば!」ということもあります。

そこで、今回は猫ちゃんの飲水量について、病気と絡めながら、解説していきたいと思います。

猫ちゃんの飲水量について解説

猫の飲水量に関して気をつけるポイントを理解して、早速今日から測定してみましょう。

飲水量が増える疾患は腎臓病、糖尿病、甲状腺機能亢進症が多い

高齢になると増える疾患の中には飲水量が増える疾患がいくつかあります。その中でも腎臓病、糖尿病、甲状腺機能亢進症などが代表的です。

特に慢性腎臓病は12歳以上の10%、15歳以上の30%がかかるとも言われているほど一般的な病気(老齢性変化でもある)です。

ただし、これらの疾患は全て早期発見、早期治療介入をしてあげることで生活の質を保つことができます。そのため、飲水量の増加に気づいてあげることが重要なのです。

飲水量が多いことの指標は体重1kgあたり一日の飲水量が50cc

では具体的にどれぐらいから飲水量が多いと判断するのでしょうか。
よく使われる指標は「体重1kgあたり一日の飲水量が50cc」です。
例えば、体重4kgの猫だと24時間で200cc以上飲むと多飲状態です。

ご飯の種類も同時にチェックする!

この時に気をつけて欲しいのがご飯の種類です。ドライフードの水分量は約20%程度、ウェットフードの水分量は約70%程度の商品が多いです。

そのため、食べているフードの種類も飲水量の評価に加味する必要があります。また結石予防のフードの中には、わざと尿量が増えるように成分を調節したものもあります。

気になる場合は、診察の時に獣医師にフードの相談を持ちかけてみてください。

尿の色と匂いも観察しよう

また多飲に伴って、尿が増える多尿も現れてきます。しかし尿の量を観察、測定することは難しいですが、その代わりに尿の色と臭いを観察ポイントにしてください。

猫の祖先は元々砂漠地帯の生き物なので飲水量が少なくても代謝できる身体の仕組みになっています。つまり、内臓が健康なうちは少量の濃いオシッコを出します。色は黄色く、猫ション特有の刺激臭がします。

しかし、多尿の状態では色は透明に近く、無臭のオシッコを出すようになります。

〜まとめ〜

▷高齢の猫がかかりやすい疾患の中には初期症状に多飲多尿を示すものが存在する。

▷7,8歳を超えた猫ちゃんは、半年に1回は血液検査、尿検査を行うようにする。

▷尿の量のみならず、尿の状態にも注目し、フードの種類も飲水量に影響することがあることを知っておく。

 

飲水量と病気に関する記事はこちらをチェック!

獣医師が考える、慢性心臓病と飲水量について

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「ペットの救急医療を可視化する」をミッションに掲げるANICALの獣医師が執筆。ペット2.0を意識した世界観で問題の本質を問うような記事の作成を心掛けています。